展覧会概要

継がれるわざとこころを後世に

截金師・江里佐代子(1945~2007)は、2002年に截金の人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されました。伝統的な京刺繍の老舗に生まれた佐代子は、仏師・江里康慧と結婚。その後、截金技法が途絶えることを危惧していた江里家の意向を汲み、截金の技法を学びます。截金は、本来、仏像や仏画を荘厳する技法であり、康慧とともに仏像作品をつくり続けました。また、仏像への荘厳にとどまらず、工芸品に応用したり、京都迎賓館をはじめとした公共施設などの壁面装飾やスクリーンなどの大規模な作品にも取り組んだりと、截金技法の新しい在り方の可能性を追求しました。惜しくも急逝した佐代子でしたが、技術や精神を途切れさせないように、と娘の截金師・朋子や工房の職人で引き継ぎ、截金作品を作り続けています。本展覧会では、江里佐代子の作品を中心に、康慧や朋子、工房の職人らによる、いまに繋がる作品を紹介いたします。截金作品の素晴らしさはもとより、截金技法の存在をより多くの方に知っていただき、継がれる截金のわざとこころが後世へ伝わる機会となれば幸いです。

≪截金彩色まり香盒≫
≪截金彩色盒子≫
≪截金彩色続命縷≫
江里佐代子

≪衝立「川の四季彩」≫江里佐代子
2001年 写真:木村尚達

≪截金飾筥「天空燦花」≫江里佐代子
1993年 写真:木村尚達

截金きりかねとは
金箔等を焼き合せ厚みをもたせたものを、細く線状または丸・三角・四角等に截り、それを筆を用いて糊で貼り合わせ様々な文様を表す技法。古来より仏像や仏画の加飾荘厳として用いられている。

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本展覧会は事前予約不要ですが、混雑状況により入館をお待ちいただく場合がございます。
予めご了承ください。

会期

2021年1月2日(土)~24日(日)※会期中無休

開館時間 午前10時~午後7時30分
※但し、1月2日(土)は9:30開館。百貨店の営業時間に準じ、変更になる場合がございます。
入館締切 閉館30分前
入館料(税込)
一般 900円(700円)
高・大学生 700円(500円)
小・中学生 500円(300円)

※( )内は前売料金。「障害者手帳」をご提示のご本人さまとご同伴者1名さまは、当日料金より各200円割引。

前売券

【販売期間】2020年12月5日(土)~2021年1月1日(金・祝)
【販売場所】当館チケット窓口(休館日を除く)、チケットぴあ(Pコード685-385)、ローソンチケット(Lコード53191)、京都新聞文化センター

主催

美術館「えき」KYOTO、京都新聞

特別協力

平安仏所、パラミタミュージアム

企画協力

イムラアートギャラリー