展覧会概要
元々写真は動きもない、音もないものだけど、そこから動き出しそうな、聞こえそうな、そんな写真を求めていたんだと思う。平間 至
タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」をはじめ数多くのアーティスト写真を撮影し、“音楽が聴こえてくるような躍動感あるポートレート”で写真界に新しいスタイルを打ち出したと評価される写真家、平間 至(1963-東京在住)。
宮城県塩竈市に祖父が開業した写真館に生まれ、クラシック音楽愛好家だった祖父、父の影響で、幼少の頃から音楽に親しんでいた平間にとって強烈な原体験となったのが、小学生の頃、初めて聴いたオーケストラの生演奏でした。その衝撃は、「後から考えると“ロックに通じるグルーヴ感”だった」と言います。10代でパンクロックの洗礼を受け、写真家として独自の世界観を作り上げていく背景には、常にジャンルを超えた音楽が通奏低音として流れていました。
本展では、「写真と音楽」をテーマに平間至の名を一躍世に知らしめた<MOTOR DRIVE>をはじめ、これまでに撮影された膨大なアーティストたちのポートレート、舞踊家・田中泯の<場踊り>を追い続けたシリーズ、心象風景を内省的に表現したシリーズ<光景>、さらに2015年に開業した平間写真館TOKYOで撮影された写真など、精選された約200点により「写真と音楽」の動き出す世界へと誘います。